ゆうの孤独のシアター

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【DVD化・配信化希望】#1 『バーチャル・ウォーズ』

あの映画が観たい!DVD化・配信希望!第1回は


『バーチャル・ウォーズ』

 

1992年に公開され、続編が2作制作されスーパーファミコンにも同名のソフトが発売されるなど他方で展開されたが配信はおろかDVD化もされておらず、VHSも高値がついているため鑑賞したことはないが、所持しているパンフレットによると内容が非常に興味深い。

 

 

 

注目ポイント1.時代の先取り

あらすじは、

アンジェロ博士は研究施設サイバーテックでバーチャル・リアリティ(V.R.)を使ったチンパンジーの知能開発を研究していた。しかしその資金を援助している国防省管轄下の組織ショップが、研究を軍事目的に利用していることにうんざりし、研究所を辞め、近所に住む精神遅滞者の青年ジョーブ・スミスの知能促進を計画する。(映画.comより引用)

というものだ。


小説『アルジャーノンに花束を』を彷彿とさせるストーリーだが、なにより注目すべきは1992年にバーチャル・リアリティ(VR)を主題にしている点だ。

 

近年になって一般的になりつつあるVRに30年以上前に着眼している先見の明に驚かされると同時に、時代を先取りすぎて評価を得られなかったのではないかとも推測できる。

 

注目ポイント2.VRの歴史

パンフレットにはVRの歴史が記載されているが、その始まりは驚くことに60年代には既に軍事目的のシステム開発に使用されており、80年代の宇宙開発への応用で有名になったという。

 

宇宙開発により巨額の開発費がつぎ込まれ、研究結果が民間企業に提供されたことから一気に普及したとされるが、全くの初耳だったため非常に勉強になった。

注目ポイント3.予言的な推察

パンフレットにはVR技術による危惧すべき点も挙げられているが、これが現代の社会を予見しており、その鋭さに驚かされた。

 

「情報過多の時代においては、コミュニケーション能力を高める新しいメディアとして無限大の可能性を秘めている」と前置きをしたうえで、「戦争や支配ではなく人間が本来持っている表現能力の向上に利用するべき」「どんなに技術が進歩しても使う人間が退化していればSFの世界のような社会になってしまう」と警鐘を鳴らしている。

 

そして、「VR技術が進歩すれば家から一歩も出ずに全てが済む世界が訪れるかもしれないが、精神が退化してしまい、人間の本当の武器である想像力が失われてしまう」と締めている。

 

これはVRやAIが発達した現代で最も危惧されている事だが、公開時(1992年)の段階で既に危険性を見抜いていたことに脱帽だ。もっとも、これは記事を執筆した方の見識の広さによるもので、作品そのものの出来は不明だが、興味深い内容であることには違いない。

 

ぜひ、DVD化・配信化してほしい。