『SISU/シス 不死身の男』好きな人はドはまりするだろうバカ映画
頭を空にして観る"ナメてた相手が最強だった"系アクション映画『SISU/シス 不死身の男』の解説・考察をしていく。

1.作品概要
監督:ヤリマリ・ヘランダー
脚本:ヤリマリ・ヘランダー
製作:ペトリ・ジョキランタ
製作国:フィンランド
配給:ハピネット・ファントム・スタジアム
時間:91分
公開:2023年10月27日
出演:ヨルマ・トンミラ、アクセル・ヘニー、ジャック・ドゥーラン、ミモサ・ビッラモほか
2.あらすじ
1944年、ソ連に侵攻されナチスドイツに国土を焼き尽くされたフィンランド。老兵アアタミ・コルピは掘り当てた金塊を隠し持ち、愛犬ウッコとともに凍てつく荒野を旅していた。やがて彼はブルーノ・ヘルドルフ中尉率いるナチスの戦車隊に遭遇し金塊と命を狙われるが、実はアアタミはかつて精鋭部隊の一員として名を馳せた伝説の兵士だった。(映画.comより引用)
3.主な受賞・選出
4.作品の見どころ・考察
死ぬのを拒む男
「不死身の男」とされているが、アメコミ映画のように超能力・特殊能力があるわけではなく、シュワちゃんのように超人的に強いわけでもない(もちろん、元特殊部隊だけあって並みの人間よりは桁外れに強いが)。
彼はただ死に抗い続け、どんな逆境でも不屈の精神力でただ耐え続ける様子は、同様の「舐めてた相手が実は最強でした」系統の作品とは一線を画しており、寓話的でありながら人間的な部分が交錯し、斬新さを感じられた。
チャプター分け
本作は「第一章 黄金」「第二章 ナチス」といった具合で、計7つの章ごとに転換があるが、はっきり言って全く必要性がなく、これがかえって作品のバカさ加減を増長しており、いかにもB級バカ映画といった印象を受ける。
5.個人的にマイナスだった点
何が面白いのか全く分からなかった
頭を空にして観る映画とは理解したうえだが、最後まで何がおもしろいのか全く分からなかった。
戦闘シーンが多いが印象的なアクションはほとんどなく、ところどころグロテスクな描写があるがスプラッターに寄るわけでもない、戦闘機にツルハシでぶらさがるシーンに代表されるように馬鹿馬鹿しさにあふれる演出が多いもののハチャメチャさには欠け、妙に現実味をだしているなど全てにおいて中途半端だった。
痛快さや笑いは一切なく、終始真顔で観てしまった。
6.総評
古くからあり昨今の映画界で特に多い、「舐めてた相手が実は最強でした」系統の作品が好きな方や頭を空にして観たい気分の時には最適な作品ではないだろうか。
唯一、『博士の異常な愛情』のオマージュシーンが記憶に残った。
7.こぼれ話
- タイトルの「SISU(シス)」とはフィンランドの言葉で、日本語への正確な翻訳は難しいが、すべての希望が失われたときに現れるという、不屈の精神のような意味合いを持つ。