ゆうの孤独のシアター

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『ゴジラvsコング』名作を駄作に変えるハリウッドの素晴らしい技術を感じられる作品

見所はアクションだけ!全てがひどいシリーズ屈指の駄作『ゴジラvsコング』の解説・考察をしていく。

 

 

1.作品概要

監督:アダム・ウィンガード

脚本:エリック・ピアソン、マックス・ボレンスタイン

製作:トーマス・タル、ジョン・ジャシュニ、ブライアン・ロジャーズ、メアリー・ペアレント、アレックス・ガルシア、エリック・マクレオド

製作国:アメリカ

配給:ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ、東宝

時間:113分

公開:2021年3月24日

出演:アレクサンダー・スカルスガルド、ミリー・ボビー・ブラウン、レベッカ・ホール、ブライアン・タイリー・ヘンリー、カイリー・ホットルほか


2.あらすじ

モンスターの戦いで壊滅的な被害を受けた地球。人類は各地で再建を計り、特務機関モナークは未知の土地で危険な任務にあたりながら、巨大怪獣のルーツの手がかりを掴もうとしていた。そんななか、ゴジラが深海の暗闇から再び姿を現し、世界を危機へ陥れる。人類は対抗措置として、コングを髑髏島から連れ出す。(映画.comより引用)


3.主な受賞・選出

〈受賞〉

  • 第47回サターン賞
    特殊効果賞

〈ノミネート〉

  • 第47回ピープルズ・チョイス・アワード
    アクション映画賞
  • 第20回視覚効果協会賞
    長編映画部門視覚効果賞
    CG映画部門ヴィジュアル撮影賞
    長編映画部門効果シミュレーション賞
  • 第26回サテライト賞
    視覚効果賞
  • 第47回サターン賞
    SF映画賞

4.作品の見どころ・考察

59年ぶりに拳を交えた両雄

本作の最大かつ唯一の見どころは、1962年公開の『キングコング対ゴジラ』以来に両雄が対峙し、拳を交えた点だろう。水中戦を交えながらの海上戦と、猥雑な香港の夜の街での対決、どちらも見応えは十分だ。

 

監督が「リメイクではなく、決着をつける」と語っていたように二度対決し、どちらもゴジラに軍配が上がったことは意外だったが、メカゴジラに対してはコングが優勢で止めを刺しており、両雄並び立つといった上手いまとめ方をしたのではないだろうか。

 

また、メカゴジラに圧倒され絶体絶命の場面で、敵であるコングが救出に来た際に見せる「お前まさか...」のようなゴジラの表情が絶品で、「敵の敵は味方」の構図もいかにもハリウッドアクション大作らしい。


5.個人的にマイナスだった点

アクション以外の全ての要素

ゴジラとコングの戦いにエネルギーを全て注いだかのように、それ以外の要素は全くといっていいほど見どころがない。

 

必要性のない陰謀説、笑えないユーモアで間を埋める凡庸な脚本、前作エマの娘と芹沢博士の息子という絶好の人物を全く活かすつもりのない雑な設定、オリジナリティがなく既視感だらけの展開と映画としてのクオリティが非常に低い。

 

アクション以外は観終わった直後に忘れてしまいそうで、彼らが戦う理由や地下空洞を狙う理由などは、ほとんどの人が正確に説明できないのではないだろうか。

6.総評

前々作、前作とゴジラとコングが対決する布石を打ち、伏線を山ほど張ったにも関わらず、この程度のクオリティで公開してしまうのはあまりにも残念だと感じたのが正直な感想だ。

 

出し惜しみすることなく頻繁にゴジラとコングを登場させる構成やアクションシーンは興奮できるが、前2作で描かれた怪獣への畏怖の念や自然環境問題との関係性、怪獣との共存、核問題などは一切なく、今まで積み重ねたものを無にしてただの「大金を投じたバカ映画」に仕上げる技術はさすがハリウッドだ。


7.こぼれ話

 

 

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